ビザ変更(在留資格変更)

ビザ変更(在留資格変更:Application for change of status of residence)の手続き

ビザ変更とは

ビザ変更(在留資格変更)とは、外国人が現在保有している在留資格を、他の在留資格に

変更することを言います。ビザ変更をするためには、入国管理局に対して、在留資格変更

許可申請(入管法20条)を行います。

ビザ変更は、現に保有する在留期限の期間内に行わなければなりません。

 

日本に滞在している外国人の方は、観光目的であれ、仕事目的であれ、何らかの在留資格

をもっています。

現在の日本には27種類の在留資格が設けられており、在留資格のカテゴリーごとに日本

で行うことができる活動の内容が決められています。

 

例えば、留学ビザであれば資格外活動許可を得ても週に28時間まで働くことができませ

んが、配偶者ビザであればそもそも別途の許可なしに時間無制限にアルバイトができます。

また、留学生の資格外活動許可は包括的に出されるためコンビニなどでもアルバイトでき

ますが、就労ビザをお持ちの方はそのような単純労働的なアルバイトに資格外活動許可が

でることはありません。

 

このように、ひとくちに在留資格といっても、所有している在留資格によって日本で行な

うことができる活動がまったく異なるため、現在保有している在留資格では許されない活

動を行いたいときにビザ変更を行います。

現在の在留資格を確認しよう!

中長期的に日本に滞在されている外国人は、在留カードを所持されていて、そこに現在の

在留資格が記載されています。まずは、この在留カードで現在の在留資格を確認します。

現在お持ちの在留資格と、変更を希望する他の在留資格の組み合わせによって難易度が変

わってきます。

 

よくあるビザ変更の類型

1 留学ビザ(在留資格「留学」)から就労ビザ(就労系在留資格)へのビザ変更

  注)・このビザ変更は、学校での専攻と仕事内容とのあいだに関連性が必要です。

    ・大学卒業者の場合は、通訳、翻訳、語学の指導に限っては、専攻に関係なく従事

     できます。

    ・法務大臣が告示で定めたIT関連の資格を有している場合、大学や専修学校の専

     攻に関係なく従事できます。

 

2 留学ビザ(在留資格「留学」)から就職活動のための在留資格へのビザ変更

  注)・対象者:①大学、短期大学、大学院の正規課程卒業者、②専門学校を卒業し専門

     士の称号を取得した者

    ・このビザは6か月間で、1回に限り更新が可能です。従って、最長で1年間就職

     活動ができます。

    

3 留学ビザ(在留資格「留学」)から配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)への

  ビザ変更

  注)このビザ変更が許可されるためには、留学ビザでの滞在が適正であったことが求め

    られます。

    

4 配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)から離婚後のビザ(在留資格「定住者」)

  へのビザ変更

  注)このビザ変更が許可されるためには、少なくとも3年以上の婚姻生活を送ったこと

    が必要です。また、資産又は収入がしっかりと証明できなければなりません。

 

5 観光ビザ(在留資格「短期滞在」)から配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)へ

  のビザ変更

  注)このビザ変更が許可されるためには、入管法上、「特別な事情」が必要です。

ビザ変更の申請中の出国と再入国

現在保有している在留資格が短期滞在の場合

在留資格「短期滞在」から他の中長期の在留資格へのビザ変更は、法律上「特別な事情」が

ない限り許可しないものとされており、この特別の事情が立証された場合でないと許可され

ません。

 

ビザ変更申請が受理された場合、出国をしてしまうとビザ変更申請は無効となってしましま

す。正確に言うと、空港でビザ変更申請の取下書を書くことになります。

なぜなら、この変更申請は在留資格「短期滞在」をベースにしてそれを変更する申請なので

すが、出国すればその変更前の在留資格を失うので、変更の土台を失うからです。

在留資格Xを在留資格Yに変更してくださいという申請をしたのに、出国をして在留資格X

を失ったため、もはやビザを「変更」することは論理上不可能というわけです。

現在保有している在留資格が短期滞在でない場合

現在の在留資格が短期滞在でない場合は、現在の在留資格の在留期限内であれば、出国し再

入国が可能です。

現在保有している在留資格の期限内に再入国して日本に戻ってくれば、出国前に行ったビザ

変更申請は、そのまま有効な申請として維持できます。

【ご参考】在留期間の更新許可申請及び在留資格の変更許可申請に係る不許可事例について

法務省入国管理局

平成19年11月

 

 我が国に在留する外国人が許可された在留資格とは別の在留資格に該当する活動を行おうとしたり,許可された期間を超えて引き続き在留しようとするときは,「出入国管理及び難民認定法」に基づき,在留資格の変更許可又は在留期間の更新許可の申請を法務大臣に対して行い,法務大臣は変更又は更新を適当と認めるに足る相当の理由があるときに限り,これを許可することができると規定されております。

  この「相当の理由」があるか否かの判断については,法務大臣の裁量に委ねられており,申請した外国人の在留状況,在留の必要性,相当性等を総合的に勘案して認めるに足りるか否かを判断しております。

  このような現行法令の下,外国人から申請される在留資格の変更許可又は在留期間の更新許可の審査においては,その運用の明確化と透明性向上を図る観点から,おおむね過去1~2年の間にその申請を不許可とした事例を,以下のとおり公表することとしました。

  なお,事例については,随時更新の予定です。

 

【在留資格変更許可申請の不許可事例】

 

(事例9)

  在留資格「就学(6月)」の上陸許可を受けて入国し,以後3回の在留期間更新許可及び3回の在留資格変更許可を受け,在留資格「短期滞在(90日)」をもって在留していたところ,本邦の企業に就職して稼動することを希望するとして,同人から,在留資格「人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請がなされた。

  上記変更申請中に,同人は,ホステスとして稼動しているところを摘発され,違反調査の結果,上記変更申請後から摘発されるまでの約3か月間継続してホステスとして稼動していることが判明し,資格外活動容疑により退去強制手続が執られることとなったことから,在留状況に問題があるとして在留資格の変更が認められなかったもの。

(事例10)

  在留資格「日本人の配偶者等(1年)」の上陸許可を受けて入国し,以後2回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ,大麻取締法違反,関税法違反により懲役10月執行猶予3年の刑に処せられたもの。

  同人から,その後,日本人配偶者と離婚したが,引き続き本邦に在留し通訳,翻訳業務に従事することを希望して,在留資格「人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請がなされたところ,在留状況に問題があるとして在留資格の変更が認められなかったもの。

(事例11)

  日本語教育機関に入学するとして,在留資格「就学(1年)」の上陸許可を受けて入国し,以後1回在留期間更新許可を受けて在留していたところ,およそ8か月間,マッサージ店に住み込んで,マッサージ師として,1日4時間以内とする資格外活動許可の範囲を超えて継続的に稼動を行っていたもの(平均稼動日数は週約6日,一日平均約6.6時間の稼動で,最大勤務時間は一日15時間以上であった。)。なお,日本語教育機関在籍中の平均出席率は87%であり,出席率に問題はなかった。

  同人からは,日本語教育機関卒業後,専門学校に進学するとして,在留資格「留学」への在留資格変更許可申請がなされていたところ,在留状況に問題があるとして在留資格の変更が認められなかったもの。

(事例12)

  大学に入学するとして,在留資格「留学(1年)」の上陸許可を受けて入国し,その後,在留資格「家族滞在(2年)」への在留資格変更許可を受けて在留していたところ,同在留資格での在留中に,資格外活動許可を受けることなく風俗営業店にて長期間稼動を行っていたもの。

  同人からは,再度大学へ入学したとして(入国時の大学とは別の大学),在留資格「留学」への在留資格変更許可申請がなされていたところ,在留状況に問題があるとして在留資格の変更が認められなかったもの。

(事例13)

  日本語教育機関に入学するとして,在留資格「就学(1年)」の上陸許可を受けて入国し,以後2回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ,道路交通法違反の罪により逮捕され,罰金25万円の略式命令に処されたもの(逮捕時には,国際運転免許証の有効期限が切れてからおよそ6か月経過しており,無免許状態で自損事故を起こしたもの。また,事故当時は深い酩酊状態にあった。)。

  同人からは,日本語教育機関卒業後(出席率は問題なし),専門学校に進学するとして,在留資格「留学」への在留資格変更許可申請がなされていたところ,在留状況に問題があるとして在留資格の変更が認められなかったもの。

(事例14)

  在留資格「短期滞在(90日)」の上陸許可を受けて入国し,その後,日本人女性と婚姻したことにより,在留資格「日本人の配偶者等(1年)」の在留資格変更許可を受けて在留していたところ,日本人女性と協議離婚が成立したものである。

  同人からは,協議離婚後,引き続き本邦に在留したいとして,在留資格「定住者」への在留資格変更許可申請がなされたところ,本邦在留歴は約1年3ヶ月であり,離婚に至る事情及び日本社会への定着性等の事情から,在留を認めるべき事情がないものとして在留資格の変更が認められなかったもの。

【ご参考】在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン(改正)

法務省入国管理局

平成20年3月策定

平成21年3月改正

平成22年3月改正

平成24年7月改正

平成28年3月改正

在留資格の変更及び在留期間の更新は,出入国管理及び難民認定法( 以下「入管

法」という。)により,法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限

り許可することとされており,この相当の理由があるか否かの判断は,専ら法務大臣

の自由な裁量に委ねられ,申請者の行おうとする活動,在留の状況,在留の必要性等

を総合的に勘案して行っているところ,この判断に当たっては,以下のような事項を

考慮します。

ただし,以下の事項のうち,1の在留資格該当性については,許可する際に必要な

要件となります。また,2の上陸許可基準については,原則として適合していること

が求められます。3以下の事項については,適当と認める相当の理由があるか否かの

判断に当たっての代表的な考慮要素であり,これらの事項にすべて該当する場合であ

っても,すべての事情を総合的に考慮した結果,変更又は更新を許可しないこともあ

ります。

なお,社会保険への加入の促進を図るため,平成22(2010)年4月1日から

申請時に窓口において保険証の提示を求めています。

(注)保険証を提示できないことで在留資格の変更又は在留期間の更新を不許可とす

ることはありません。

1 行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること

申請人である外国人が行おうとする活動が,入管法別表第一に掲げる在留資格に

ついては同表の下欄に掲げる活動,入管法別表第二に掲げる在留資格については同

表の下欄に掲げる身分又は地位を有する者としての活動であることが必要となります。

2 法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること

法務省令で定める上陸許可基準は,外国人が日本に入国する際の上陸審査の基準

ですが,入管法別表第1の2の表又は4の表に掲げる在留資格の下欄に掲げる活動

を行おうとする者については,在留資格変更及び在留期間更新に当たっても,原則

として上陸許可基準に適合していることが求められます。

また,在留資格「特定活動」については「出入国管理及び難民認定法第七条第一

項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」(特

定活動告示)に該当するとして,在留資格「定住者」については「出入国管理及び

難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第二の定住者の項の下欄に

掲げる地位を定める件」(定住者告示)に該当するとして,上陸を許可され在留して

いる場合は,原則として引き続き同告示に定める要件に該当することを要します。

ただし,申請人の年齢や扶養を受けていること等の要件については,年齢を重ね

たり,扶養を受ける状況が消滅する等,我が国入国後の事情の変更により,適合し

なくなることがありますが,このことにより直ちに在留期間更新が不許可となるも

のではありません。

3 素行が不良でないこと

素行については,善良であることが前提となり,良好でない場合には消極的な要

素として評価され,具体的には,退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた行

為,不法就労をあっせんするなど出入国管理行政上看過することのできない行為を

行った場合は,素行が不良であると判断されることとなります。

4 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

申請人の生活状況として,日常生活において公共の負担となっておらず,かつ,

その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること

(世帯単位で認められれば足ります。)が求められますが,仮に公共の負担となっ

ている場合であっても,在留を認めるべき人道上の理由が認められる場合には,そ

の理由を十分勘案して判断することとなります。

5 雇用・労働条件が適正であること

我が国で就労している(しようとする)場合には,アルバイトを含めその雇用・

労働条件が,労働関係法規に適合していることが必要です。

なお,労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合は,通常,

申請人である外国人に責はないため,この点を十分に勘案して判断することとなり

ます。

6 納税義務を履行していること

納税の義務がある場合には,当該納税義務を履行していることが求められ,納税

義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。例えば,納税義

務の不履行により刑を受けている場合は,納税義務を履行していないと判断されます。

なお,刑を受けていなくても,高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も,

悪質なものについては同様に取り扱います。

7 入管法に定める届出等の義務を履行していること

入管法上の在留資格をもって我が国に中長期間在留する外国人の方は,入管法第

19条の7から第19条の13まで,第19条の15及び第19条の16に規定す

る在留カードの記載事項に係る届出,在留カードの有効期間更新申請,紛失等によ

る在留カードの再交付申請,在留カードの返納,所属機関等に関する届出などの義

務を履行していることが必要です。

<中長期在留者の範囲>

入管法上の在留資格をもって我が国に中長期間在留する外国人で,次の①~⑤

のいずれにも該当しない人

①「3月」以下の在留期間が決定された人

②「短期滞在」の在留資格が決定された人

③「外交」又は「公用」の在留資格が決定された人

④ ①~③の外国人に準じるものとして法務省令で定める人

⑤ 特別永住者